「エプロン姿」




「はぅーん、いいニオイデス」
「邪魔。もうすぐできるから、あっち行ってろ」
「たまにはお手伝いさせてクダサイ!」
「じゃあ、テーブルに皿とか並べておいて」
「もう終わりました!」
「ワイン冷えてる?」
「完璧デス!」
「じゃ、BGM弾いて」
「はーい!」


って!何で!
ヨーコがエプロン作って送ってくれたから
張り切ってお手伝いしようと思ったのに!

エプロンしてピアノ弾くって、なんかおかしいデショ?!


「ラヴェルで」
「はーい!」

って。
だーかーらー!
せめて何か一言言ってくれても!

ほら?かわいくないですか?
新妻のエプロン姿デスよ?
フリルヒラヒラしてマスよ?


…お好みじゃ、なかったデスか?


「らしくないな」
「えっ!?」

このエプロン、似合ってませんか?

「お前、ラヴェル得意だろ?」

…ああ、ピアノのことですか。

「そうですけどー。そうじゃなくてー」
「なんだよ」
「あのーデスね?」
「できたぞ、料理運ぶの、手伝って」
「…ハイ」


「あ、それ熱いから、こっちの持ってけ!」
「これもトレイに載せろよ!手火傷したらどうすんだ!」


キレイに食卓に並べられた、真一くんの手料理。
のだめは、全然役に立ってないし。

「早く座れよ」
「はい…」

のろのろとエプロンをはずして、椅子に座る。
おいしそうだけど、なんかおいしくない。

「どうした?」

つまんないこと、だけどなんかだんだん…だんだん…


「あー…明日は、鍋にしようか?」
「へ?」
「それなら、お前も…手伝える、だろ?」
「でも、運ぶだけでしょ?」
「おにぎりも、つけて」
「はい」
「たまには…妻の手料理も、食べたい、かな、って」
「…はい」
「包丁とかー…火とかはー…手ケガしたら困るから…」
「…うん」
「だから、明日はおにぎりで…」
「で…」
「エプロン姿も、なかなか様になってるし…」
「…」
「な、…奥さん?」





お題提供 真昼の夢 様





**************
新婚さん、いらっしゃーい。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送