「いつでも一緒」
「開演5分前です!」
その声を合図に、かけてあった燕尾服に袖を通し、
タイの歪みを鏡でもう一度チェックする。
ポケットチーフを入れた胸のポケットに手を当てて一呼吸。
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「また、海外デスか…」
「ん、今度はモスクワ。2週間」
「…飛行機、デスね(・∀・)」
「…言うな」
「じゃあ、これ、飛行機でも大丈夫なように」
「何、コレ…」
「見ての通りのだめの写真デス。
飛行機が怖くても、これ見て頑張って耐えてクダサイ!」
「…はぁ」
ご丁寧に、裏にはキスマーク。
「いらない、デスか?」
「いや、役に立たないとは思うけど、一応もらっとくよ」
「ムキャー!人の好意を!返してクダサイ!」
写真を奪おうと伸ばしてきた腕をとり、引き寄せた。
「写真だけじゃ足りないから、2週間分充電させて?」
抱き寄せた耳元で囁いて、キスをひとつ。
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胸の内ポケットにしのばせた写真。
少女趣味だとは思うけど
なかなかオレの音楽を聴きに来れないあいつが
少しでもオレの近くにいられるように。
オレの音が聞こえるように。
お題提供
真昼の夢
様
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もちろん、カズオ指揮棒も持ち歩いてます。
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