unusual




「センパイ! 明日は一日オフですよね!? のだめ、行きたいところがあるんデス…」


シュトレーゼマンのアジア演奏旅行について、ほぼ1年ぶりに日本の土を踏んだ千秋。
ちょうどバカンスということで、のだめも九州の実家に帰ってきていた。
そして3日前、東京で合流したのだ。
あたりまえのようにのだめも三善の家に泊まっていて。

明後日にはまたパリに帰る、その前にやっと一日空いた日を、
のだめとのデートに使うのも悪くない…

日本に来ても毎晩毎晩、六本木だクラブだ…とシュトレーゼマンに連れ回されて
身も心も休まらなかった千秋は、のだめの提案に素直に同意した。
「で、行きたいところってどこだ?」
「うきゅきゅ。 それはヒミツです♪」

「ヒミツ」というのが多少気になりはしたが、すっかり変態の森の住人である千秋には
そのヒミツすら楽しんでしまうようになっていた。


翌日。着いたところは渋谷。
買い物か?それならパリのほうが…と不審に思いつつも、
のだめに腕を引っ張られ、千秋は従うように人込みをかき分けて道玄坂を進む。
まさか…こっちは…
80%の不安と、20%の期待。
やっぱり…
路地を折れるとそこは…日本が誇るラブホテル街、円山町だ。

「お前! せっかくの休日をこんなところで過ごす気か!?」
「のだめ、ラブホテルって一度入ってみたかったんデス。
しんいちくんは経験豊富ですから、一度や二度や三度や四度、入ったことあるでしょうけど…」
と、唇をとがらせて顔をのぞき込んでくるのだめに、千秋は思わず目を反らしてしまう。
「オレはこんな下品なところに入ったことはない!」
「うきゅ。なぜ目をそらすんですか?
ていうか早く入りマショ♪ もう下調べは済んでるんです」
カバンから情報誌を取り出し、誇らしげに千秋に見せる。
見出しには大きく「絶対行きたい! 今一番おもしろいラブホテル」などと
はしたない文字が踊っている。
「この辺のハズなんですよ…」とご丁寧に折り目までつけたページを開き、のだめは辺りを見回す。

「んなもんどこだってヤルことは同じだ!」

誰が見ているというわけではないのだが、その場の空気にいたたまれなくなった千秋は
目の前にあった、趣味の悪いピンクの城へ入る。
けばけばしく並ぶ写真から適当に部屋を選ぶと、鍵を取り、
これまた悪趣味に装飾されたエレベーターへ入る。

「んもう…しんいちくんってばせっかちなんだから。ていうかやっぱり慣れてマスね…」
「慣れてない! あんなところでいつまでもうろうろできるか!」
「でもヤルことは同じって…しんいちくんのすけべ」
そう言って腕をからませ、密着してくるのだめ(の胸)に、千秋は思わず発情してしまう。
「うるさい!黙れ!」
そう呟くとのだめの口を自らの唇でふさいだ。
もちろん、右手はのだめのDカップにしっかり置かれている。

「やっぱりせっかちですけべで、ついでにおっぱい星人じゃないですか…」
エレベーターが目的の階についた音をきっかけに、唇を離すとのだめがつぶやいた。

…こうなったらすけべでもおっぱい星人でも何でも言いやがれ。
事実なんだからしょうがない。

「ほわぁああ…大きいベッドです…」
適当に選んだその部屋の中心にはピンクのフリルで飾られた
悪趣味なカバーがかけられた巨大なベッドがおいてあり。
「ぎゃぼー!センパイ!お風呂が大きいうえにガラスで透けてます!」
部屋の奥のガラスの向こうには、ピンクで統一されたバスルームが見える。

「のだめ!風呂入れ!ここで見ててやる!」
「見てるって…一緒に入るほうがよっぽどマシなような…」
「入れ!」
「センパイ…それ、カズオな上に、変態ですよ…」
「変態のお前につきあうオレが変態じゃないはずがないだろ!」

しぶしぶのだめはバスルームに入ると、ゆるゆると服を脱ぎ始めた。
さすがに、脱衣場は透けない…
タオルを身体に巻き付け、おずおずと浴室のドアを開ける。
どうやら、マジックミラーになっているようで、こちらから室内の様子はまったくわからない。
変わりに、タオルを巻き付けた、妙になまめかしい自分が、そのガラスには映っていた。
「ふぅ…」と、ため息をひとつついて椅子に座りシャワーを出す。
頭からシャワーを浴びながら、どうしたものかと考える。
のだめの頭でも、どう考えてもこの状況を打破することはできないのだが。
次第に、身体に巻かれたタオルが水を吸って重くなってきた。

千秋は、ガラス越しにその様子を黙って見ていた。

ややうつむいて、迷いながらシャワーを浴びる、困ったような表情。
その表情を半分かくしてしまう、サラサラとこぼれ落ちる髪。
膝に置かれ、握りしめたままになっている、鍵盤の上では軽やかに動き回る大きな手。
巻かれたタオルの上からでも、しっかり分かるその豊満な膨らみ。
無駄な肉のない、なめらかな背中に、くびれた腰のライン。
危うい所で隠され、そこから伸びる適度に肉付きのあるすらりとした脚。

どれもが愛しくて、かわいくて、今すぐ抱き締めたい衝動に駆られる。
その衝動を必死にこらえるが、それもそう長くは持たなかった。

バシャっ

ふとした拍子に、身体を包んでいたタオルが、重力に負けて落ちる。
慌ててのだめは拾い上げるが、その姿がまた千秋の欲情の炎に油を注ぐ。
見慣れているはずののだめの裸身が、ヴィーナスかなにかに見まごうほど美しく感じた。

やばい…もう耐えらんねえ。

急かされるように服を脱ぎ、バスルームに入る。
そのドアの音に慌てて立ち上がったのだめを抱き締め、激しく唇を求める。
のだめの口内を隅々までむさぼるように攻めると、のだめもそれに応戦してくる。

「んっ…」

いつの間にか動いていた右手が、のだめの胸を這う。
下からゆっくり包むように揉むと、人さし指が軽くその先端に触れる。
その瞬間、のだめの舌の動きが止まり、吐息が漏れる。
その吐息を合図にするかのように一旦唇を離して視線を合わせると、
二人は憑かれたようにもう一度舌を絡ませた。

いつになく激しいキス。
こうして、のだめをじっくりと味わったのはいつ以来だろう…
長い演奏旅行に出ていた千秋は、その間、この感触を思い出しては悶々と過ごした夜もあった。
3日前に、ほぼ1ヶ月ぶりに会って、やっと二人きりになったときも、
互いの感触を確かめあうかのように何度かキスを交わしたが、
自身の疲労と、三善家の中である、という引け目から、
本能と欲情の赴くままに、というわけにはいかなかった。

互いの甘い唾液を存分に味わい、それでもまだ足りない、というふうに
名残を惜しみながら唇を離すと、千秋はのだめを、もう一度強く抱き締めた。

「会いたかった。早くふたりになりたくて仕方なかったんだよ…」

「しんいちくんは相変わらずあまえんぼサンですね…」

千秋の胸の中でつぶやくと、今度はのだめの方から首に手を回して軽く唇に触れる。
そして、耳元に唇をよせて囁いた。

「好きなだけ、甘えていいんデスよ…」

この腕の中にいる女は、どこまでオレを翻弄するのだろう。
気まぐれで、猪突猛進で、変態で、振り回すだけ振り回したかと思えば、
たった一言で、焦りや不安をふわりと包み込んでしまう。
悔しいが、居心地がいい。

少し落ち着いた千秋は、シャワーを停めると、のだめの髪に、耳元に、首筋にゆっくり唇を落とす。
華奢な鎖骨に少し強く吸い付く。
のだめの腕は、自分の胸元に顔を寄せる、愛しい人を優しく包み込む。
皮膚を舌が這う感覚に、思わずその人の髪をかき寄せる。
千秋の手は、ほどよくくびれた腰をゆっくり上下し、
たからものをやっと見つけたかのように、そっとその胸の膨らみに触れる。

ふたりの口から漏れるのは、もう吐息しかなかった。

ほどよく湿り、暖まった肌に、ぴたりと吸い付いた手が、ゆっくりと揉みあげる。
指先で、そっと先端に触れてその固さを確認すると、また離れ。
それを何度か繰り返し、滑らかな肌と、膨らみの柔らかさを、唇と舌と手でたっぷりと堪能すると
最後のごちそうを味わうように、ゆっくりと先端を口に含む。
舌でころころと転がすと、自分を抱き締める手にも力がこもる。
軽く噛んでみると、切なげな吐息が漏れる。
もう片方へも、同時に、指でころがし、つまみ…舌で行うのと同じように刺激を与え続ける。
いつしか二人は倒れ込んでいた。

思う存分、そのふたつの膨らみを堪能すると、千秋はのだめを後ろから抱え込むように座らせた。
膝を立たせ脚を開かせると、ゆっくりとその中心部へ右手を這わせた。
そこは、すでに蜜で溢れかえっていた。

「恵。目を開けて」
言われるがままに目を開くと、正面のガラスに、あられもない姿で千秋に抱かれる自分が映っていた。
「イヤぁぁ…」
思わず目を背ける。
「ダメ。ちゃんと見て」
耳元で囁かれ、顎を正面に向けられる。

真っ赤に充血した自分の中心が、千秋を求めて光っているのが見えた。

潤みきったそこに手を這わせ、指でそっとなで上げる。
軽くしか触れていないのに、その刺激だけでまた蜜があふれ出す。
くちゅり、くちゅりとこねながら、中指をゆっくりと沈めていく。
同時に左手は、すっかり固くなった胸の先端を、執拗に攻め続ける。
その快感にのだめはのけ反り千秋に背を預けた。

「見て…指、入ってるよ…ほら…2本…3本…」
のだめの顔を正面に向けさせながら、ゆっくりと指を出し入れする。
目に入るのは、3本の指をくわえ込み光る自分。
「乳首も、こんなに固くなって…気持ちいい?」
羞恥心と快感で、言葉が出ない。
なおもあふれ出す蜜は、千秋の手をも光らせる。
「おいしい」
そっと指を抜き、蜜に塗れた指をぺろりと舐める。
「イヤ…あぁ…」

鏡越しに千秋の行為を確認すると、のだめは振り向いて千秋の唇を自分のそれで塞いだ。
一度舌を絡ませると、のだめはくるりと千秋の方に身体を向き変え、
唇を首筋から鎖骨、胸元へと這わせていく。

今度は私が悦ばせてあげる…


胸板に舌を這わせながら、長い指で耳から首筋をそっとなでていく。
これが千秋の快感を誘うことをのだめは知っていた。
髪を梳きながら乳首をそっと舐めると、うっとりとしたため息が漏れた。
手を取り、その長い指を一本一本、愛おしさを込めて口に含む。

そして、屹立した千秋自身をゆっくり手に取ると、そっとその先端にくちづけた。

男は千秋しか知らない。
初めてこの行為をしたとき、千秋を悦ばせる、
ただそれだけを考えていたら身体は勝手に動いていた。
千秋は止めたけど、自分から彼自身を求めたのだ。

軽くくわえ、舌だけを割れた部分に動かす。
深くくわえ込み、ゆっくりと前後させる。
根元からそっと舐めあげると、快楽と苦痛に歪む顔が見えた。

その顔がもっと見たくて。
夢中で、鏡に映る自分の姿など気付かなかった。

丸い尻を突き出し、はいつくばって千秋自身をくわえ込む姿が、そのままガラスに映る。
その割れ目には、キラキラと蜜が光っている。
快楽をこらえ、そこにそっと指を這わすと、思いがけぬ衝撃にのだめの舌の動きが止まった。

もう限界。

お互い顔を見合わせると、のだめは黙って千秋にまたがり、
ゆっくりと、感覚を確かめるように腰を落とす。
繋がった部分の熱さに酔いしれながら、唇を重ね、しばらくお互いの舌をむさぼる。
むさぼりながら、自然に腰が動いてしまう。
快感に唇を離し、千秋の首に回した手に力が入る。
腰に添えられた大きな手は、ともすれば逃げようとするその腰をしっかりと支え、
ゆっくりと、しかし力強く突き上げられる。
豊かな胸が密着し、突き上げに合わせて千秋の胸と重なり、擦れる。
触れ合う肌の心地よさと突き上げの快感で、声にならない声が漏れる。

しばらく、その行為に没頭していたのだめに、違う衝撃が走った。


千秋は自身をのだめから一度抜くと、のだめを床に手を突かせ、
四つんばいになったのだめを後ろから攻める。
先ほどの、ゆっくりした動きとは違う、激しい動き。
さらに手を繋がった部分に這わせ、蜜で溢れかえるそこをこねまわすと、
締めつけはさらに強くなる。

「めぐみ。前、見てごらん」
快感に溺れ、うつろなまま顔をあげると、
そこに映るのは後ろから千秋に犯され、快感に顔を歪めた自分の姿。
思わず肘が崩れるが、そんなのだめを千秋はさらに攻め立てる。
繋がったままのだめを抱え起こし、結合部分が露になるように脚を開かせる。
「ちゃんと見て」
結合部にふたたび手を這わせ、敏感になりすぎた部分を、さらに攻めたてる。
「ほら、こんなに濡れて。溢れてくるよ。気持ちいい?」
のだめはだんだん白くなる意識に溺れながら無我夢中で首を振った。

乱れるのだめを鏡越しに見詰める千秋も、限界が近くなってくる。

ふたたびのだめに手を突かせると、千秋は激しい前後運動を繰り返す。
きゅうきゅうと締めつけてくるのだめの腰を支え、一気に精を解き放った。

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「しんいちくんの鬼畜…」
「でも、気持ち良かったんだろ?」
シャワーで汗を流し、部屋に戻って大きなベッドにふたり、裸のまま身体を横たえる。
「鏡なんて…恥ずかしいじゃないですか…」
「でも濡れてたし。乱れてたし」
「言わないでください…」
そんな会話をしながらも、千秋はのだめの身体をまさぐりはじめる。
手は胸をゆっくりと這い、さらに下腹部へと伸びていく。
「ま、またですか…?」
「イヤ?」
耳を甘噛みされ、首筋にキスを落とされると、
さっきまでの激しい行為ですっかり敏感になった身体がふたたび反応し始める。
「や…やじゃないデスけど…」
「せっかくこんなところに来たんだから、存分に楽しまないとな…
だいたい、行くって言いだしたのはお前だし。イヤとは言わせないから…」







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某所初投下作。
鏡プレイ。エロエロ。


私の中の千秋は、ややSなのだ。



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